桂田宗慶のイタリア裏パーツ事情(第6回)
今回は、ヨーロッパで行われているモーターサイクルショーのお話を中心にお送りします。 2005年はヨーロッパで行われるこの代表的なショー、ドイツインターモト、ミラノ のミラノショーの二大モーターサイクルショーに異変があり私を含め業界関係者は困惑 状態におちいっております。というのは、まず、本年開催のミラノショーが通常9月に行われていたのが東京モーターショーの関係か、11月に日程が変更されたこと。これにより 毎年各メーカーが9月のショーに一声にニューモデルを発表されたのが、どうなるのか? 東京モーターショー(車がメインのショー)で発表されるのか?はた、また、規模は小さいが10月に行われるパリーショーで発表になるのか?それとも、バイクシーズンが終わっている11月にミラノショーで発表されるのか?メーカーの動向が注目されます。
また、もうひとつの問題としてドイツのインターモトが会場を移し、毎年開催するとのこと。それならと、イタリアのミラノショーも会場を移し、こちらも毎年開催するとの情報が入ってくる。この二大モーターサイクルショーは、今まで、毎年交互に開催されていたのでヨーロッパ中の有望なメーカー、パーツメーカーが積極的に参加していたが、こうなると、特に規模の小さいパーツメーカーなどは両方参加することは、なくなってくるだろうし、ドイツの会社はドイツのショーに、イタリアの会社はイタリアのショーにのみ参加 する形になり、全体的に規模が縮小され、私たち観客も華やかさ、来場人数含めなにか物足りないショーをみる結果になってくると予想されます。
なんで、こんな結果になったのか、非常に残念である。(日本の5,6倍の規模でモーターサイクルショーは行われています、イベントパーファマンス、来場人数、文化としての役割、どれをとっても日本のモーターサイクルショーと比べて桁外れ)
さて、話を昨年行われたドイツインターモトでのショーの話をしていきましょう。 私が、かりにも海外のパーツを輸入して販売しようとおもったのは、海外のパーツメーカーには日本のパーツメーカーにない、デザイン、ユニークなアイデアの商品がありこれを 是非皆さんにお伝えしたいのが理由であり、今もその気持ちは変わりません。 ありました、ありました、ユニークなアイデア商品が、このショーでは、現在当社が日本輸入元として扱っている盗難防止装置スパイボールとは、別に盗難防止のもっと原始的でありながら(テクノロジーを駆使した商品ではない)少し現代的にマッチされ手軽で廉価な商品を中心に探していました。
わたしは、基本的にアナログ人間でめんどうくさがりやでマニュアルを読むのが大嫌いなたちなので、ハイテク商品にいやけがさしている同志になにかないかなと考えていました。 スペインのメーカーでLUMAという会社の新商品はユニークです。写真の通り、通常は フットペダルとして使用し、滑り止め機能がありデザインもなかなかです。それを、バイクから降りた時はとりはずし、ディスクに固定し、ディスクロックとして使うわけです。 これなら、ディスクにつけたままバイクに乗ってしまってエンジンをかけることもないはずです。なぜなら、フットペダルがないからそこで気づきます。しかも、荷物としてスペースいらず。よく考えたものです。バイクってやっぱり荷物は少ないにかぎりますものね。
今度は、大分宣伝になりますが当社が扱っている商品でフランスのベクター社の「ミニ マックスアラーム」、これも、アナログ人間を泣かせる単純明快さ。写真の通り、見た目は どこにでもあるディスク施錠ロックだがU字アーム部分の向きを差し替えるだけでアラームモードと単なるロック機構にわかれる優れもの。なので、U字部分を今までのデイスク に差し込むだけの使い方だけではなくバイクのボディにかけてアラームモードにしただけの状態で盗難に遭遇したらアラームが鳴り続けるという設定ができ、また、アラームが鳴るとまずい場面、例えば、船上とかで船のゆれでアラームがなる可能性が高い場合そして 盗難のあう可能性よりもイタズラが防止の可能性が高いときは、単なる施錠ロックとして使えます。その上、鍵はピッキング防止の特殊キーを使用、 外し忘れ防止ワイヤーにポーチ付きで9800円(税別)は安いし、重宝すると思いませんか?
ハイテクで高価な車載搭載の振動センサーアラームと基本的に同じ効果を発揮し、正確で故障知らずの単純機構で値段を比べるこの安さ。イモビライザーをどう考えるか?基本的に搭載されているハイテクで高価な車載搭載の盗難防止装置のイモビライザーは人の自由だが私自身は盗難防止に対してあまり効果がないと考えてます、というのは、盗難の犯人がエンジンをかからないだけで盗難をやめるか考えた場合、多分あきらめないと思いませんか?
それなら、やはり効果が期待できるのは威嚇効果のアラームが今、一番やめさせることには効果が一番あるのではないでしょうか?単純さと効果、値段をとってこの商品、アナログ人間に一押し商品です。実は、このベクター社、過去に特許問題である商品が販売できない事態に陥り、苦労した経験があり約2年かけた新商品で細かいところに念には念をいれた商品作りをしています。鍵穴のシャッター機能にご注目。
昨年のドイツのショーでのBMWブースマスコミ向けのオープン日に衝撃のK1200R がお披露目された、その時、じっくり見て思ったことは、こけたらこの右側のカウル高いだろうなー。中途半端なクラッシュパッドがついており、なんで、もう少し長さを考えたらいいのにー。だけど、なんかBMWだから理由があるのかなあと考えていた,その頃と この頃、出ましたドイツMV社から長さが重要クラッシュパッド、是非一度ご覧ください。 このMV社は、当社の取引き会社だが、この会社を訪問したときのお話を少し。 この会社は、ドイツとオランダのちょうどの間の町 バーセンにあり町の中央に大きな川が流れのどかと言う言葉がぴったりな町である。空港で待ち合わせていると、ベンツのリムジンで向かえにMVがきた。
どんなでかい会社なのかと、思って乗車して話を聞いてみると、私のほうを何か大会社の社長とおもっているらしく、わざわざレンタカーを借りて迎えにきたとのこと、日本人のイメージはドイツでもやっぱり金持ちの印象が強いのでしょうか?但し、悪い気はしなかたので相手が葉巻をすっていたのを見て私も葉巻を吸いながらリムジンの雰囲気を楽しんだ。 会社に到着すると、逆に拍子抜けするぐらい小規模な会社でよくある喫茶店の一軒屋で 会社をやっている感じです。運営もオーナーのギュンターバーホレン氏と奥様のモニカ の二人で基本的に運営されており、MVの由来はこの二人の名前の頭文字をとってできたとのこと。仕事の合間にR1100GSにのっている息子夫婦が手伝っているそんな家族経営のブランドそれがMVでした。
ここで、疑問が二つ湧いてきました。ひとつはどうやって数々の素晴らしいパーツの企画を考えているのだろう?もうひとつはどこで生産しているのだろう?という疑問である。まず、後者の疑問が最初に解けました。GSに乗っている息子が働いている会社が社員数1000人のトヨタに直接旋盤技術を使ったパーツを製作しておりその会社にプロジェクト委託して生産されていると、実際に現場にいき、びっくりしたのが、やはり四輪、けたはずれの設備、最新の機械が導入され納得のクオリティでした。
ここでも、日本から大金持ちの社長がきたとMVが言ったのか?オーナー自ら出てきて、私に売り込みをはじめましたが、ここでは、きっぱり、私は、どこの国でも同じで日本にもトヨタみたいな会社もあれば小企業もある、私は、日本の小企業なのであなたとは直接取引できませんよと伝えました。海外での勘違いはナンセンスなので面白い。
次の疑問である、どうやってMVの素晴らしいパーツはどうやって企画開発されるのだろう?オーナーのバーホレン氏の自宅に招かれ、食事をご馳走になりながら話を聞きながら その疑問も解けた。担当直入に言うと彼は、ものすごいBMW モトラッドファンであり 彼の言葉をかりて言うなら「わたしは、24時間BMWモトラッドの事を考えている。」である。新型が発売されるたびに、すべて一オーナーとしてBMWを購入し、まず、2千km走破の旅に出て、ここがこうなったほうがいいう思うところを企画にし、プロトタイプをつくりまた、同じく旅にでてテストしを繰り返し、出来上がるのである。
簡単に言うと、痒いところに手が届く、BMWオーナー、ファン自身によってつくられたパーツなのである。そのセンスはきっと大手の机上での開発力とは異質のものだろう。 実際に大手のドイツのBMWアフターパーツメーカーがMV社のパーツをコピーして問題になったこともある。日本でも当社がMV社のパーツを輸入して日本で販売し、そのコピーしたドイツの大手アフターパーツメーカーの日本の代理店が輸入して販売し、同じような商品が日本で流通していたのでおきずきのユーザーもいらっしゃると思いますが、本物はMVのロゴがはいったものが本物です。
さて、話をもどして、バーホレン氏の自宅に招かれての食事は、日本でも同じだが最高のもてなしにあたり緊張した。大きなオムレツを何度もすすめられたが、2回食べるのが 精一杯で、早くこの場を逃げ出したいのが本音だった、やはり、何度か会い、関係ができたあとにこのもてなしならリラクッスできるのだが、初対面でこのもてなしはきつかった。 だけど、MV社の家庭的で人柄のよさ、BMWにかける情熱、手作りの部分はお伝えできたと思います。
最後にヘルメットについて、前回の号でブルーツウースを搭載したBMWシステムヘルメット5や、ハイテクのヘルメットについてはお話しましたが、今回テーマはアナログ、 注目のデザインはやはりモモデザインのへルメットです。昨年のドイツインターモトでも 大注目でしたが、ここ数年ショーでもずっと大注目されてます。 もちろん、私も愛用者のひとりです。軽量でデザインがなんともすばらしいですね。 なんで、こんなデザインのヘルメットが日本メーカーにないんだろうとおもって考えましたが、もちろんセンスもあるのでしょうが問題は日本の法規のようです。
実際にBMWシステムヘルメット5、BMWメッシュヘルメット、過去ではクルーザーのヘルメットは日本に導入されておりません。 BMWは新型の開発時トータルでアイテムを設計しています。新型のモデルが次々と販売されるなか、日本だけデザインが違うかた遅れヘルメットしか購入できない体制にやり場のないフラストレーションを感じます。私見ですが、先ほどご紹介したモモデザインのヘルメットも真正面から行くと法規にひっかかるが、メーカーとの協力で正規に輸入をでき認可がとれる体制をつくったと日本の輸入元の担当者と話したときにおしゃっておりました。 法の解釈は微妙ですので、メーカーとの協力のもと是非、BMWの最新ヘルメットが正規で輸入認可されるようBMW ジャパンに努力してもらいたいものです。真正面からいかずに。。。
ショーの視察を終え、例年のごとくドイツ最大のビール祭り「オクトバーフェスタ」に出かけました今回で5回目だがいつもながら思うのはドイツ人特有のノリがいつのまにか伝染し他のヨーロッパ、東洋人を巻き込んで異様なノリになっていき、大いに盛り上がってきます。会場のとなりは遊園地になっており、酔った勢いでもうノリノリです。日本でもこんな酒祭りあれば楽しいですな。。。
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